化学実験ゲーム
9歳のA君にとっては、「こんなのつまんない。」という化学実験ゲームでしたが、新1年で6歳のBさんにとっては新しくて興味がもてるかもしれない化学実験ゲーム。
なんとA君はBさんにプレゼンして、一緒に遊びはじめました。ゲームのルールを説明することは、大人でもとても難しいです。自分自身が理解していても、相手が《どういう言葉なら理解できて、さらにどういう進行をすればゲームを楽しめることが出来るか?》を常に意識する必要があるからです。
化学実験ゲームは、プラスティックの試験管の中に入っている球体を指定されたカードの色配列に試験管に手を使わずに移していきます。
ゲームの進行は、A君がBさんを見守りつつ、時折、声かけしたり手本を見せるという適切な対応で、Bさんも楽しめたのです。
ゲーム中は球体を手で触らないのがルールなのですが、片付ける時にはA君がBさんに「片付ける時は、この球、手でさわってもいいねん。」とわかりやすく声かけをして、一緒に片付けてくれたのです。
【とも】で行っているあらゆる遊びの中で、とりわけゲームの類はそもそも説明書があってルールが決まっています。応用するにも、まずは基礎的なルールを参加する大人も子どもも理解した上で、参加メンバーによって話合いをしてから柔軟なルール対応をするのが【とも】のやり方です。
他者が何を解っていて、何が解っていないのかを理解することは大人でも難しいことです。それぞれの理解度は違うので、相手によって対応を変えることはかなり難しいのです。
ありがちなのは、「〇〇しなさい!」と命令的に指示することです。自分自身が理解しているとこれを言うことが1番手取り早いのですが、相手は本当に理解した訳ではなく、指示通りにやるだけです。
【とも】では、あらゆる場面で命に関わることと本人と他者が怪我をすることが予想出来る場合を除いて、「〇〇しなさい」は使わないのです。子どもたちにもそのことは、ことあるごとに伝えています。合意形成を取ることと、相手が納得出来そうにない時には、別の方法を相手に提示すること。代替案(オルタナティブ)を出すことで、双方が納得出来ることを大切にしています。
たとえ、相手が発語がなくても大人は必ず声をかけています。表情でやりたいか?やりたくないか?も見ています。
そんな日常を繰り返していると、子どもたち同士も同様の対応をするようになってきます。お互いに気持ちよく遊んだり、生活する上で大切なルールを【とも】の先輩たちは、新しく入ってきたお友だちにもトップダウンではなく、合意形成を取りながら伝えたり、一緒にやって見せたりするようになります。
新型コロナウィルス(COVIT–19)感染症でストレスが溜まっているであろうにも関わらず、新しいお友だちを受け入れることを最優先に考えてくれる子どもスタッフには頭が下がります。☺️