2019年2月の予定表
宝塚市川面にある、児童発達支援・放課後等デイサービスのオルタナティブスクールともです。
【とも】が開所し、子どもたちとともにすごすようになって約1年が経ちました。子どもたちにとってのそれぞれの興味や、生活や学習面での困りなどに日々寄り添わせていただきながら、スタッフ一同、今目の前にいる子どもたちにとって何が必要で、どのような支援ができるかを日々考えて参りました。
子どもたちの育ちを見ると、自分の興味がなさそうなことでも、提案してみると前向きに乗ってくることが多々あります。基本的には、これまで通り子どもたちの主体性を最優先いたしますが、子どもたちの興味に広がりを持たせるために【とも】でも、毎日の遊びを少し設定していった方がいいのではないかと職員から意見が出てきました。多くはこれまでとは変わりませんが、そのような経緯でその日に行う療育の一部に設定遊びを取り入れることといたしました。
音楽を楽しむ
・ダンスをしたり、好きな歌を歌ったり、アップライトピアノやギターやクラリネット、打楽器(ボンゴ、カホン、木琴、タンバリン等)に親しみます。
・演奏したい曲を簡単な楽譜にして「弾けた!」「出来た!」を経験することで自己肯定感が高まります。
・手先が不器用かな?と思われている保護者様も多いのですが、全身運動をしっかりすることで体幹が鍛えられ、次第に手先の微細な動きが出来るようになっていきます。
・友だちやスタッフと一緒に音楽を楽しむことで、音を聴いて合わせていくという経験から、コミュニケーションの力の向上も期待できます。
ビジョン・トレーニング
・目を使う遊びを通して、目の働きを良くしたり、脳を刺激して活性化することを目的としています。視覚のトレーニングにより、情報処理能力が高まり、それに伴い「イメージ力」「企画力」「記憶力」も高まるといわれています。
・眼球が定まらないことで、子どもさん本人も黒板や本の文字が読みにくかったり、気持ちが落ち着かなかったりします。トレーニングすることで、少しずつしっかりと目で物を追う力や、人と目を合わせて話をすることが出来るようになり、気持ちも落ち 着いてきます。毎日5分でも続けてすることが有効とされています。
例)けんだま・羽根つき・まとあて・キャッチボール・ビー玉・指人形をつかった遊びなど
数字で遊ぼう
・生活していく中で時間、お金など数はたくさん出てきます。子どもたちにとっては、合わせる意味の+(たし)算や-(ひき)算が学校では文章題という部分では理解出来ていないことが多くあります。クイズや料理、カードゲームやボードゲームを使い子どもたちが生活に数は必要なんだということを遊びから学べる環境作りを目指します。ドリルなどでの紙面上での計算ではなく、遊びを通して生活に必要な数の概念を育てていくことが大切と考えています。
言葉で遊ぼう
・人との関りに必要な言葉ですが、自分の思いを伝えることはもちろん、やりたいことを説明するのも言葉です。また、お友だちが言っていることの真意を聞き取ることはとても難しいことです。
・発語に有効な、口元を鍛える遊びを取り入れていきます。
カードゲーム
子どもたちが生活する中で、時には自分の気持ちとは違うことをする場面があります。特に、勝ち負けがある場合に、負けるとそれだけでイライラしてしまい、その後に遊び続けることすらしんどくなってしまいます。それぞれの子どもさんに応じて、ゲームをすることで勝った時には喜びつつ、負けたお友だちの気持ちにも寄り添ったり、負けた時には自分の気持ちとどういう折り合いをつけるかを少しずつ取得していけるよう大人が少し介入して行っていきます。
プチクッキング
料理は、暮らしの中で必要な要素がたくさんつまった療育に最適な場面です。
子どもたちから、「○○を作りたい!」とお話してくれることも多いので、おやつや学校休業日のお昼ご飯をメニューづくりから考えることもあります。
また、食器を洗ったり、後片付けをすることも料理の一部として扱います。
お出かけ
ボルダリング・美術館・公共の施設(スポーツセンターなど)の利用・公園・探検・猫探しなどを含む外出は、社会生活を営むために経験として有効だと考えています。社会は、楽しいところで、怖がる必要がないことを一緒に体験します。
安全に日常生活がおくれるために必要な交通ルールの獲得も目指します。
スヌーズレン
スヌーズレンは、1970年代にヨーロッパで障がい者のための余暇活動として始まったもので、「視覚」「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」の五感を刺激しながら行われます。薄暗い部屋で音や光や触覚などを刺激する道具を用いて様々な感覚から心地よい刺激を受け、光や音楽などでリラックスする方法が一般的です。ともでは、和室を使って行っています。
その他
季節の遊びや行事も適宜取り入れます。
全体を通して
それぞれの子どもたちがどんな場面でイキイキとしていて、どんな場面で困っているのかをしっかりと見極めながら、大人の思いを押し付けるのではなく、「○○ちゃん、△△をするのはどうかな?」と誘ってみながら、小さな積み重ねを日々繰り返しながら、子どもたちの「やったー!」「これは、上手に出来るねん!」という自信につなげていけるようにしています。
子どもたちと共感しながら、次は何をしようか?という見通しが子どもも大人も立てられるようになって欲しいと思っています。
何かをするには動機付けが必要です。
例えば、大人も「早く、家に帰りたい!」のは、「ゆっくり横になりたい。」「ご飯を食べたい。」「見たいテレビ番組がある。」などの動機ががあるように、子どもも同様です。どんな子どもも「●●しなさい!」では、やる気が失せてしまいます。「トイレに行きなさい!」も「今から、公園に出かけるからトイレに行ってきたら?」と言うだけで、子どもはすんなりとトイレに行くのです。物事のすべてに動機があり、結果がでます。結果はすぐには見えにくいかもしれませんが、子どもたちの個々の成長を一緒に喜びながらこれからも関わらせていただきます。
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