オルタナティブ・スクールとも

兵庫県宝塚市の児童発達支援・放課後等デイサービス a.s.tomo(@)icloud.com

【奈多小にエレベーター設置を求める 請願署名に賛同してくださった皆さま】〜請願審査の報告〜

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この度は賛同署名にご協力くださり誠にありがとうございました。


《請願審査のご報告》
11月8日に福岡市議会 教育こども委員会にて「奈多小学校にエレベーター設置を求める請願」の審査が行 われました。
審査の結果は【継続審査】となりました。教育委員会からは、「本年度中に、エレベーターをどのように設 置していくか方向性を示す」という答弁がありました。
これまでのような階段昇降機で代用するような対応ではなく(奈多小には階段昇降機の要望はしていません が配置できるように整えていると教育委員会の請願資料に記載があり驚きました)バリアフリー法施行令の 改正や、文科省からのエレベーターの整備目標が示されたこと、そして児童生徒を取り巻く環境が変化して いることから、エレベーター設置については改めて検討を進めていくことが必要ということでした。
文科省は、エレベーターが必要な児童等が在籍する学校を優先的に整備するよう要請しています。この事に 対しては、現在は奈多小学校以外からのエレベーター設置の要望はないと言うことですが、実際にはエレ ベーターのない学校に通う車椅子を使う児童生徒は5名いるため、奈多小も含め、入学年や就学相談からの 状況等も含めて検討を進めていくということです。
今回の審査の答弁は、主には発達教育センターの所長でしたが、最後に教育長からの答弁もありました。教 育長からも今までエレベーターの代用として導入をしていた階段昇降機にも触れ、今後については、社会の 変化に対応していくこと、奈多小に関して最善の方法を検討するということも話されました。
市議会議員から教育委員会への質疑内容は、こどもの権利、移動の保障、安全の確保や責任について、福岡 市はインクルーシブ教育をどう進めていくか、適否の検討ではなく「整備する」検討ではなく「順序立て を」、(予算に関し)防災減災への国の財政支援と併せることはできないか検討したのか、等の具体的な質 疑が並びました。
いずれの答弁も「検討」「そこまでの検討はまだしていなかった」でしたので、今後の動向を注視していく 所存です。どうぞ皆さまにもこれまで通り、今後の福岡市の学校教育に関する進展を見届け、応援をしてい ただければと心よりお願い申し上げます。

 

エレベーター設置を求める会
代表 小山智春

 

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【口頭陳情】請願者が審査前に口頭で陳情できます。以下の陳情をしました。


令和3年4月に私の子ども小山大喜が、希望する住んでいる校区の福岡市立奈多小学校に入学しま した。二男大喜は、先天性の手足の運動機能に障害があり、2歳から電動車椅子の練習を始め、自 立した人生を送るための移動手段として生活の中で電動車椅子を使っています。 二男は、毎日楽しく充実した学校生活を送っており、先日行われた体育会の1年生のダンスでは、 クラスメイトと一緒に、電動車椅子を操作しながら、器用にイキイキと自信をもって踊る姿を見 ることができました。また普段の生活でも、同じ1年生だけでなく、他の学年の児童とも名前を呼 び合い、あいさつし合う事が当たり前となり、やっと住まう地域に友達や知り合いも増え、この 地域社会の一員としての暮らしを実感できるようになりました。6年生の兄との日常会話も、学校 の共通の話題で溢れています。 エレベーターのない学校ですが、次男の教室は例年通り2階と決まっておりましたので、入学する にあたり各階に二男用の車椅子を持参し、どの階に移動するにも重い車椅子を運ばず済むよう に、エレベーターのない学校現場の負担を少しでも軽減できるようにしています。 入学してからの登校、下校、移動教室の階段の上り下りについては、私が二男を抱きかかえて上り 下りしていました。 しかし5月24日の下校時に、いつも通りの私の抱きかかえの介助での階段下り中に、私が段を踏 み外し転倒し怪我をしてしまいました。 現在は学校の方から提案があり、登下校や移動教室の階段の抱きかかえ介助の上下移動は、先生 方が連携して行なってくださっています。 ただし、階段での転倒事故は誰が介助しても起こり得ることです。 二男が階段を使うのは1日平均4回以上で、これを小学校の6年間続けていくことは、学校現場に も大きな負担がかかります。
教育委員会が導入をすすめている「キャタピラ式階段昇降機」については、 操作する人が限られ、
乗るにも降りるにも移動をするのに時間がかり、 本体自体が大きく場所を取るため他の児童の安全性も踏まえ決まった時間にしか使用出来ず、 何より松葉杖や立位状態の歩行困難時には使えず、不特定多数の人は使えません。 こどもたち全体の安全を考えれば、限られた人員と時間制限のある学校教育下では、エレベー ターの代わりとして実用は難しく、エレベーターの代用とはなりません。 二男は「抱っこされずに、僕が1人で動けるように、先生も楽に、お友達が怪我をした時や病気の 時も使えるように、1日でも早く学校にエレベーターをつけてほしい」と願っています。 このようなこともあり、二男、他の児童の安全な移動方法の確保、現場の先生方の負担を考え、 エレベーターは絶対に必要であることを改めて認識しました。 既にエレベーターのある学校がそうであるように、奈多小学校も二男だけではなく、誰もが安心 して共に育つ教育環境、また公共施設として、そして地域の避難場所としてもエレベーターは必要 です。
文部科学省からも、令和7年度末までに要配慮児童が在籍する全ての学校にエレベーターを設置す るよう、計画的な整備を要請しています。また財政面も、国からの補助率が、3分の1から2分の 1に引き上げられています。 どうぞ早急に奈多小学校にエレベーターの設置をお願い申し上げます。

 

小山亜紀

 

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オルタナティブ・スクールとも】の保護者様つながりで、遠く福岡市の小山さんとご縁が出来ました。

ともをご利用中の保護者様のみならず、数々の方が請願署名に協力いただきました。ありがとうございました。

 

先日、上記のように引き続き審査という回答を福岡市議会でならされましたとの報告を小山亜紀さんから封書でいただきました。

 

《継続審査》《検討》とあたかも前向きに聞き取れる文言ですが、議会でこの言葉を聴いたら、「もっとしっかり議員の仕事をして下さい。」と市民が選挙で選んだ議員の後押しをしないと役所からは何も回答が無いに等しくなります。

小山さまも今回の件で、かなりご苦労されたと電話で伺っています。

しかし、遠く宝塚からの応援だけではなく、小山さんの周りの方々から『言ってもいいんだ!』という草の根運動的な市民の声が届きはじめたようです。

 

実は、この手紙をいただく前にメールをいただいておりました。

そこには、以前、同じ福岡県内の太宰府市という学問の神様で有名な市でも同様に車椅子を使っておられるお子さんが地域の小学校へ行くのにエレベータがないという西日本新聞の記事から、善意の寄附がありエレベータがそのお子さんの学校に設置されたという美談が新聞紙面に書いてありました。

 

私は、小山亜紀さんにとても厳しいお返事を差し上げました。

「すでに法整備もされており、学校へのエレベータ設置はあらゆる角度から必要とされているにも関わらず、善意の寄附がないと取り付けないなんてことは行政の怠慢です。

喜んでこんいる場合ではないですよ。しっかりと議会制民主主義の主権者として議員を動かしていって下さい。」

と書いたのです。

小山亜紀さんは、

「そう言われると思っていました。カツが入りました!」

ととても頼もしい返事をいただきました。

 

黙っていたら議員が何とかしてくれるのではなく、主権者として議員にはしっかりと働いてもらいたいだけではなく、今回のように一緒に議員と声をあげていかないといけませんね。

今回、特に特定の政党が云々という話もなく、比較的、誰もが賛同しやすい案件にも関わらず、ここまで先延ばしになっているのはなぜなのか?

 

私たちも自身の周りをもう一度見直す機会になります。