「かしてー」『いいよ』の功罪
公園、幼稚園、保育園、学校などで子どもが
「かしてーーー」
と相手に言った時に、周りの大人はつい
『いいよ』
という回答を子どもに期待し、場合によっては強要しがちです。
『いやー』『ダメ』
と回答した子どもにダメ押しで
「そんなこと言ったらお友だちがかわいそうでしょ?」
「おともだちがいなくなっちゃうよ。」
などなど、まるで貸さないことが【悪】であるかのような刷り込みをしてしまうこともあります。
十分に使ったから『いいよ』と言ったり、
もう少ししたら貸してあげる『あとでー』と言ったり、
まだ使いたいから『ダメ』と言ったり、
子ども自身が選択出来るように、ともでは支援者が前後のやり取りを含めて双方が納得出来ることを大切にしています。
先日も小学生同士でこのやり取りがありました。
『ダメ』
と言ったお子さんを支援者が
「そうだよねー今、使ってるもんねー」
と後押ししていると、、、、、
それを見ていた中学生が一言言いました。
「俺、幼稚園の時に『貸して』って言われて『ダメ』って言うたら、先生にめっちゃ怒られてめっちゃムカついた。」
と。
ありゃ〜ですよ。
「かしてー」と声をかけた子が良い子で、
『ダメ』と言った子が悪い子。
そんなはずはないのです。
大人のあなただって、他人に貸したくない物ってありませんか?
あとでなら貸せる物もあるでしょうし、一緒に使える物もあるでしょうし、絶対の貸せない物もあるでしょ?
『NO』が言えない日本人なんてよく言われますが、こういう小さい頃からの大人の声かけが『NO』を言えない大人の再生産を繰り返しているのではないでしょうか?