医療従事者の方々は、2019年 5月 WHO世界保健総会(WHA)にて採択された【ICD -11】は和訳作業も含めて知らないではすまないのが
[国際疾病分類]の30年ぶりの改訂です。
我々、福祉従事者も当然のことですが知らないとは言えない重要な改訂です。
特に上の写真のように
・「~障害」から「~症」へ
• 日本語の「障害」は、disorderの訳語として用いられるがdisabilityの意味でより広く 理解されている
• 精神疾患の中には可逆性のものも多くあり、精神疾患がdisabilityであるかのような 誤解は偏見を助長する
• 「~障害」と診断されることは、当事者にとって負担感が大きいとの懸念
• 上記の点から、例外を除き、全面的に「~障害」を「~症」と置き換えることを提案
– 例:学習障害➡学習症、パニック障害➡パニック症
・Depressive Disorderの訳出(原則の例外) ・Disordersを「~症群」へ ・従来の日本語病名が誤解・偏見を生んでいるもの ・「精神病」から「精神症」へ
は、長きに渡り、和訳(日本語病名)が誤解や偏見を生んできたとの反省もあり、日本語訳をさらに各学会が見直し作業を行っています。
本来なら、2022年1月1日から日本でも使われる予定でしたが、厚生労働省に問い合わせをしたところ日本語訳が進んでいないそうです。
(コロナ禍で各学会の所属医師の方々も目の前の患者様対応でお忙しいのでしょう。)
発達凸凹のお子さんに病名を付けるかどうか?の議論をここでする気持ちはさらさらありません。
ICD−10からICD−11への改訂やそのポイント、
さらにはDSM-5(アメリカ精神医学会が出している《精神疾患の診断基準・診断分類》。正式名称「精神疾患の診断・統計マニュアル」)
は、特に福祉従事者は知らないとお話になりません。
医学が進歩したことで、DSM−4からDSM−5の改訂の際に精神疾患だと長きに渡り診断されていたある疾病は、除外されました。
出来れば、施設の見学の際には案内する管理者や児童発達支援管理責任者、会社の代表に【ICD−11】の改訂ポイントや【DSM−5】で除外された疾病
を知っておられるかどうかぐらいの知識は尋ねてみてください。
その施設の職員がどれぐらい勉強をして、子どもたちに向き合っているのか?がわかる最低の指針になるのかもしれません。