オルタナティブ・スクールとも

兵庫県宝塚市の児童発達支援・放課後等デイサービス a.s.tomo(@)icloud.com

「奈多小学校にエレベーター設置を求める請願」現状のご連絡

昨年、福岡県福岡市立奈多小学校にエレベータ設置を求める請願署名に【オルタナティブ・スクール とも】の保護者様や子どもたちが協力して下さいました。

(子どもたちには、それぞれの保護者様が内容を説明して理解して自著してくれました。ありがとうございます。)

 

その後の経過を小山さんから報告を受けました。

 

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「奈多小学校にエレベーター設置を求める請願」現状のご連絡


福岡市立奈多小学校にエレベーター設置を求める会の小山です。


昨年(2020年)度より、地域の小学校(奈多小学校)入学に向けエレベーター設置を求める請願にご賛同、ご協力頂き誠にありがとうございます。

おかげさまで二男・大喜は奈多小学校に入学し、毎日楽しく充実した学校生活を送っています。
お友だちも先生のことも大好きで、早く2学期が始まってほしいそうです。
エレベーターの設置は未だですが、地域社会のひとりとしての暮らしの実感がわいてきている日々です。
 
福岡市では身体障害のある児童が、住む地域の学校に入学する制度が整っていない為、教育委員会
バリアフリー面も含めた必要な支援の具体的な話し合いは2021年3月まで続いていました。


必要な支援の話し合いの際に教育委員会から何度も「2021年3月に決まる予算次第」という文言がありましたが、この話し合いの間に行われた予算を決める2021年2月の市議会では、今回の請願の審査はされず、非常にもどかしい気持ちが続きました。

入学してからの教室は例年通り2階と決まっていましたので、各階に二男専用の車椅子を持参し、エレベーターのない学校現場の負担を少しでも軽減できるようにしています。
小学校の先生方も、不便な事が有れば連携して工夫して下さり、クラスメイトや他の学年の児童も、学校外でも会えば気軽に声をかけてくれ、やっとこの地域で暮らしている実感がわく、生き生きとした1学期でした。
2学期からは先生方から提案があり、登下校時の母親の送迎は1階までとなりました。
今後の支援についても学校だけにお任せするのではなく、保護者、外部とも連携してサポート環境を整えていきます。

先程も書きました通り、本来は少しでも早く市議会に動いて欲しく2020年12月に提出した請願ですが、2021年3月の予算決議でも審査されていません。
2021年2月の市議会で地元市議からエレベーター設置の質疑に対して、福岡市教育長からは「検討する」という答弁のまま新年度に入っても動きが無い状況です。
 
2021年4月には国の通称バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)改正が施行され、学校施設のバリアフリー化では、エレベーターについても記載が有り「令和7年度末までの目標案として、要配慮児童生徒が在籍する全ての学校に整備する」よう文科省から計画的な整備を要請しています。また、国の方策により財政的な支援の充実も掲げられています。
 
https://www.mext.go.jp/content/20201225-mxt_sisetuki-000011936_04.pdf
▲学校施設バリアフリー化推進指針/文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課指導第一係


https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000091_20210401_502AC0000000028
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律
(定義)
第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
〜略〜
 十八 特定建築物 学校、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、ホテル、事務所、共同住宅、老人ホームその他の多数の者が利用する政令で定める建築物又はその部分をいい、これらに附属する建築物特定施設を含むものとする。
 
 
請願に至った理由のひとつは、奈多小学校に限らず、福岡市学校施設のバリアフリー化についての方向性を確認できるものが無く、今後の計画も明らかにされていなかったからです。


そこで先日、地域の支援者が働きかけて下さり、教育委員会の発達教育センター長、総務課長、施設課の方と面談を実施しました。真摯に対応して頂きましたが、学校のエレベーター設置については市内全体で検討する必要があるとのことでした。

私たちも当初より、請願を提出してもエレベーター設置までには予算措置や調査を含め、数年単位の覚悟はしていましたが、請願自体が審査もされず放置されることに時間をかけたくはありません。

福岡市内の地域の学校には二男以外にもエレベーターを必要とする児童や地域の方、エレベーターや制度がないために「地域以外の学校の選択肢しかない」と言われてしまうご家族が実際にいらっしゃいます。
二男だけではなく、誰もが安心して学び育つ事ができる教育環境、また、地域の避難場所としての整備についても、今後も請願に賛同してくださった市議会議員、福岡市議会こども教育委員長に働きかけを行い、少しでも早く請願審査が実施され福岡市の方向性や考え方を議会の場で明確にしてもらえるように動いてまいります。
なかなか進展が無く、皆様へ報告が出来ず誠に申し訳ございませんが、
今後もお力添えを頂けますよう何卒宜しくお願い申し上げます。


2021年8月吉日
奈多小学校にエレベーター設置を求める会
小山 智春
 

*教育を受ける側(今回は子ども)は【権利】を持っています。大人はそれをサポートする【義務】をおっています。

【権利】は全ての人に保障されています。その保障ために【義務】を遂行すると思えば簡単なのですが、よく逆転して覚えてしまいますね。

【義務】を果たさないと【権利】を主張出来ないのではありません。

生存権】(生きる権利)が全てに人にあり、それを出来るかぎりそこなわいようにあらゆる機関(国であったり、NGO団体やNPO団体、会社組織)が【義務】をおっているのです。